何を基準にすればいいの?ドッグフードの選び方

ドッグフードも年々細分化が進み、今では多様な種類が販売されています。では、その中からどのようにして、愛犬にあったドッグフードを選択すれば良いのでしょうか。

実は考慮すべき点は数多くあって、それらを知っているか否かで与えるドッグフードも変わり、その結果として犬の健康も大きく変わってくるのです。

今回はドッグフードの選び方に焦点を当て、愛犬に合った最適なドッグフードについて考えていきましょう。

ドッグフードの種類は豊富

一言でドッグフードといっても、その種類は年々細分化が進んでいて非常に豊富になっています。それも長年の研究や海外との貿易が盛んになった結果です。

特にフランスやアメリカ、オランダなど欧米のメーカーは、ドッグフードの歴史も長く、これまでにもさまざまな研究がなされてきました。

加えて、海外では日本以上にドッグフードに関する法律が厳しいところも多く、意外と日本以上に高品質であったりもします。欧米はドッグフードの品質や規則においても先進国なのです。

それに対し日本は、平成21年にようやく日本国内のペットフードを規制する法律ができたりと、少しばかり出遅れてしまいました。

 

最近は、日本のメーカーも原材料や製造過程などが大幅に改善されてきており、良質のドッグフードが増えています。そのような日本国内外における背景が、ドッグフードの多様化を促進してきたのです。

多様化が進むドッグフードでは、今では犬の年齢別に種類が分かれていることもあります。たとえば、生後間もない子犬用はもちろん、成犬用や7〜10歳以上の老犬用のものなどさまざまです。

愛犬のライフステージに合わせて、妊娠期・授乳期の犬に合わせたドッグフードも販売されています。愛犬も人間と同じくどの成長段階にいるかによって、必要な成分やカロリーが変化してくるのです。

今ではそうした愛犬の状況に合わせてドッグフードを選択することが可能になっており、その種類も豊富です。

 

ドッグフードのタイプは、基本的に含水量によって区分されています。

大まかに以下の4種類。

  • 水分量が10%未満である固形タイプのドライフード
  • 水分量が25〜35%程度のソフトドライフード(発泡しているフード)
  • 水分量が25〜35%程度のセミモイストフード(発泡していないフード)
  • 水分量75%前後のウェットフード

加えて、主食として与えるものや、間食として与えるご褒美に近いもの、栄養やカロリーの補助のための目的食など多岐に及んでいます。

個々の愛犬の状況に合わせた最適な食選びが可能になっているのです。

成長期の犬のドッグフード

ドッグフードを選択する際、まず意識しなければならないのは犬のライフステージです。特に、犬の成長が著しい幼犬期・成長期には注意を払う必要があります

幼犬期である月齢2〜3ヶ月頃までは離乳食を与えるのが一般的ですが、そこから先の成長期(月齢3ヶ月〜1歳前後)はドライフードに切り替わるタイミングでもあり、犬の成長において非常に重要な時期なのです。

愛犬の成長をしっかりとサポートできるよう、成長に必要な栄養素の入ったドッグフードを選ぶようにしましょう。

 

まずは愛犬の体作りが第一です。成長期の犬は成犬の倍のエネルギーが必要であるともいわれています。つまり、カロリーも比較的高めであり、栄養満点なドッグフードを選ぶのが良いでしょう。

具体的には、体を作るのに欠かせない粗タンパク質が25%以上のものを選ぶのがベターです。もちろん、タンパク質だけではなくカルシウムやミネラルといったさまざまな栄養素のバランスも重要になってきます。

ただし、カロリーを高くしすぎることには注意が必要です。成長期には筋肉などの成長も盛んになりますが、脂肪細胞の数も増えるといわれています。

この時期に必要以上のカロリーを摂取してしまった場合、脂肪細胞が増えてしまい、生涯において太りやすくやせにくい体質になってしまいます。

カロリーも大切ですが、そのほかの栄養素の摂取、そして適度な運動を心がけるようにしましょう。

 

加えて、体作りを進めるだけではなく、成長期はその犬の嗜好も左右しやすい時期です。良質の素材を使った、添加物などが少ない成長期用のドッグフードを選ぶようにしましょう。

また、このときアレルギーがみられる場合には、アレルギーにも配慮する必要があります。

成犬は運動量や肥満度で選ぶ

成長期である月齢3カ月〜1年を過ぎ、成犬になった愛犬については、運動量や肥満度に応じてドッグフードを選択する必要があります。

成犬用のドッグフードとしては、1歳前後から6〜8歳前後までを対象としたものが販売されており、その中から愛犬の状況に合わせた最適なものを選ぶようにしましょう。

 

成犬用のドッグフードは、一般的には成長期向けのものより低カロリーのものが多いです。成犬はもうすでに成長が止まっており、成長期のように体長や体重を増やす必要もありません。そのため、高タンパクで低カロリーのものが大半を占めています。

そのなかでも、肥満気味の犬や運動量の少ない犬については、ダイエット用のドッグフードを選ぶようにしましょう。肥満が進んでしまうと、特に室内で飼っているような犬であれば運動量も一層減ってしまい、関節や腰などに負担がかかるようになってしまいます。

加えて、内臓にも負担がかかり、さまざまな病気の原因となってしまうのです。

たとえば、ダッグスフンドのような胴の長い犬種であれば、肥満により腰に負担がかかるとヘルニアになるリスクが高まります。

一度ヘルニアにかかってしまえば、後ろ足が使えなくなってしまうことなど、健康や生活に大きな影響を与えかねません。そのような事態を避けるためにも、肥満を軽く考えることなく対処していく必要があります。

また、食事量やカロリーを考える際には、おやつについてもしっかりと管理するようにしましょう。

 

日頃の食事のみをマネジメントし、おやつについては全く計算していないとなると、管理していたつもりでも肥満になってしまうことがあります。

成犬の必要カロリー数を計算するための式もいくつか公開されていますので、そのような式と合わせて、食事、おやつをトータルで管理するようにしましょう。

成犬向けのドッグフードは、その生活習慣や環境に合わせて、さまざまなものが用意されています。運動不足や体重の増加など、犬の悩みをサポートしてくれるものも豊富です。

健やかに生活できるよう、愛犬の状況をしっかりと把握しドッグフードを選びましょう。

シニア犬のフードはここに注意

一般的に7歳を過ぎるとシニア期に入るため、老犬向けのドッグフードに切り替えていく必要があります。

犬も年老いてくると、運動量や代謝が低下してしまうので、低脂肪かつ低カロリーのドッグフードや、身体の機能低下をサポートできるよう成分が調整されたものなどがおすすめです。

そのほか、機能低下を補完するための機能性原料を加えたものなどもあり、非常に豊富な種類が揃えられています。

ただし、全体的に犬の寿命は伸びてきているため、7歳を過ぎたからといってシニア用のドッグフードに切り替えると、逆に太ってしまう場合もあり注意が必要です。

 

シニア用のドッグフードは、身体機能の低下を想定し、食べやすく栄養素が吸収されやすい工夫がなされているものが多いのです。

機能低下が進んでいない状態でシニア用のドッグフードに切り替えてしまうと、必要以上のエネルギーを吸収してしまう可能性もあり、高齢にして肥満になってしまう可能性があります。

そのため、シニア用のドッグフードは愛犬の状態を見つつ、適切な時期を見極めて与え始めることも重要なポイントとなっています。7歳頃から様子を見始め、10歳前後で与え始めるのも良いでしょう。

どのタイミングがベストかは、犬のそれまでの病気歴や運動量に依存します。その点については、犬の病歴や健康状態に合わせて、病院やショップにて相談するのも1つの方法です。

最適な選択をするためにも、日々愛犬の様子に注意を払ってあげましょう。

犬種ごとに選ぶ方法もある

ドッグフードは、これまで紹介してきたようなライフステージに合わせた選択の仕方だけではなく、犬種ごとに選ぶという方法もあります。

メーカーによっては、犬種ごとに適したドッグフードを出しているところもあり、その種類も年々豊富になってきました。

犬種ごとに合わせたドッグフードは、その犬種の特徴に合わせたカロリーや栄養配分となっているため、体調管理がしやすいというメリットがあるのです。

その結果、犬種によってかかりやすい病気に対する対策にもつながっていきます。

柴犬

柴犬は他犬種に比べてアトピー性皮膚炎や消化器疾患にかかりやすいとされています。

特にアトピー性皮膚炎については、ドッグフードの原材料に含まれる消化しにくい成分が体内に蓄積されることによって引き起こされるといわれていて、食べ物に依存しやすい病気です。

ですから、柴犬については添加物の少ない、消化吸収の良いドッグフードを選択するのがベターです。柴犬用のドッグフードであれば、そのような点にも配慮された成分となっています。

ダックスフンド

ダッグスフンドは、足が短く胴が長いため、関節や背骨に負担がかかりやすいという特徴があります。そのため、肥満になってしまうとより一層負担が大きくなるため、体重管理が重要になってきます。

ダックスフンド専用のドッグフードを選ぶか、健康的な骨と関節の維持をサポートできる栄養成分を含み、さらにカロリー管理にも配慮したドッグフードを選ぶのが良いでしょう。

生活環境で選ぶメリット

生活環境に合わせて、カロリーや食事量を調節することも大切です。散歩が少ない、室内飼育、運動量が多いなど、生活環境別で出されているドッグフードは犬の運動量に合わせたカロリーの摂取が期待できます。

もちろん、運動量が少ない場合は定期的に体を動かす機会をつくってあげるなど習慣面でのアプローチも必要ですが、このようなドッグフードなど食生活面からの改善も重要です。

たとえば、運動量が少ない場合には低脂肪のドッグフードに切り替えるなど工夫が必要となります。

このとき、ドッグフード選択のポイントとしては良質な動物性タンパク質のものを選択することです。低脂肪とされているものの中にも、炭水化物が多く含まれているものもあります。

そのようなドッグフードを摂取することで、より肥満が進んでしまう犬もいますので注意しておきましょう。

また、犬に必要なのは植物性タンパク質よりも動物性タンパク質です。そのため、良質な肉や魚が多く使われているものも選択することをおすすめします。

内臓が心配ならこんなフードを

体調管理において、内臓にかかる負担についても意識しておくようにしましょう。胃腸など消化器系が弱い犬や、腎臓に問題を抱えている犬などは、内臓ケアを考えた療法食が適しています。

たとえば、ドッグフードの成分について、特にとうもろこしや小麦は犬にとって非常に消化がしづらいです。そのような穀物が多く含まれていると消化器系に負担がかかりますので、注意しておきましょう。

代表的な消化の良い穀物としては、玄米・大麦・オートミールなどが挙げられます。そのような穀物が2〜3種類ほど使われているものか、グレインフリー(穀物不使用)のドッグフードがおすすめです。

また、内臓に気を使う場合人工添加物が使われていないものもおすすめです。人工添加物を毎日摂取していると、それらがどんどん蓄積してしまい犬の健康を害してしまいます。

内臓の機能低下により下痢や柔便を引き起こしてしまうほか、涙やけ、アレルギー、皮膚疾患、生活習慣病などになってしまう可能性も高くなってしまいます。

そのため、内臓を含め犬の健康を考える場合には、人工添加物が少ない、もしくは含まれていないものを選択するようにしましょう。

加えて、犬の食事療法を専門としたドッグフードも売られています。専門のメーカーであれば、腎臓ケアや胃腸ケアのように、1つひとつの内臓に焦点を当てたものも多いです。

犬の健康状態をみつつ、そのようなドッグフードを導入してみるのも良いのではないでしょうか。

アレルギーに配慮するなら?

犬が、皮膚をかいている、フケが出ている、耳や目、口が汚れているといった症状があれば、それは食物アレルギーの影響かもしれません。

ドッグフードに含まれるお肉や、穀物、酸化防止剤や着色料などの添加物が原因かもしれません。

アレルギー反応が見られたら、まずは病院での診察。その症状がアレルギー由来である場合は、アレルゲンが含まれていない食事を与えるよう食生活を改善する必要があります。

最近では、アレルギー対策になるようなドッグフードが数多く販売されています。愛犬の状況に合わせて最適なものを選択するようにしましょう。

また、そもそもアレルギーを引き起こさないよう、日頃から注意を払っておくことも重要です。

サンプルをもらってみる

ドッグフードを選ぶ際、サンプルをもらって確認するのも1つの手です。いくつかのドッグフードについては、ショップや動物病院でもらえるサンプルがあります。

そのように製品購入前にサンプルをもらうことで、感触をしっかりと確かめられるのです。また、犬が食べやすい粒の大きさかどうかの確認もすることができます。

無料のサンプル以外にも、メーカーによっては複数のドッグフードのサンプル詰め合わせを販売しているところもあります。

そのようなセットを購入し、どのドッグフードが最も愛犬に合っているか、どれが最も食いつきが良いかを確かめてみるのも良いでしょう。サンプルをもらう際にも、アレルゲンなど成分には注意しておくようにしましょう。

必要に応じて獣医師や専門家に相談を

愛犬のドッグフードについて考えるとき、これまで見てきたように考慮すべき点は非常に数多くあります。

その犬のライフステージに合わせ、栄養素やカロリーを調整することはもちろん、犬種特有の課題であったり、育てている環境に依存する課題であったりと、その犬1匹いっぴきに合わせて最適な食生活をマネジメントしていくことが重要です。

また、アレルギーや病気などを抱えているときはなおさらです。人間と同じく、犬にとっても体づくりの基本は食事ですので、飼い主側がしっかりと意識してドッグフードを与える必要があるのです。

考えるべき点が数多くあるので、自分1人だけでは自信がないという人もいるかもしれません。そのような人や、より詳細に愛犬の体調管理をしたいという場合には、獣医師やショップスタッフなど専門家に相談してみることも大切です。

これまで多くの事例や対策を経験してきた人たちですので、愛犬にあった食事プランや改善案についての見通しを立てることができるでしょう。

人間と同じく、犬の健康を支えるのは日々の食事です。少しでも愛犬との日々を長く幸せに楽しめるよう、日頃のドッグフードなど、犬の食生活に細心の注意を配るよう心掛けましょう。